メモリアルイヤー作曲家演奏会

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プチコンサートvol.2 ソリストインタビュー

9/17日に松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)で開催する「メモリアルイヤー作曲家演奏会 presents プチコンサートvol.2」ではブラームス作曲のヴァイオリン協奏曲をメインに取り上げます。

今回はそのソリストの平野胡桃さんに、リハーサルで感じたことや曲の魅力についてお話し頂きました。

 

◆今回のリハーサルを通じて感じたことをお聞かせください。

 今まで無伴奏やピアノとのソロを演奏するときは、「自分はこうやりたい!」「この音源のように弾きたい!」など、自分の好きなように弾くことが出来ていました。しかし今回演奏するブラームスのヴァイオリンコンチェルトは、協奏曲でありながら交響曲と同じくらいオーケストラパートが充実しており、かつブラームス特有の室内楽的な曲だからこそ、大人数でのアンサンブルが難しく、今までのようにはいきませんでした。
 つまり、他の協奏曲のように「ソリスト>伴奏」の力関係ではなく、ソリストが目立ちすぎずオーケストラと対話をしているイメージです。この絶妙なオーケストラとの対話が、他のヴァイオリンコンチェルトと比べて難しくもあり面白い部分でもあると感じました。


◆3大ヴァイオリンコンチェルトの中で、ブラームスのヴァイオリンコンチェルトは、平野さんにとってどのような存在ですか?
※3大ヴァイオリンコンチェルトとは、メンデルスゾーンベートーヴェンブラームスのヴァイオリンコンチェルトのことです。

 メンデルスゾーンのコンチェルトは全体的に華やかで情緒深く、かつメンデルスゾーンの繊細な性格が曲に表れているように感じます。またベートーヴェンのコンチェルトは、ロマンティックかつ気品のある作品です。
 一方でブラームスのコンチェルトは、しみじみとした部分、ロマンティックな部分、華やかな部分、力強い部分というように、様々な表情を持っており、とても楽しい作品です。どの曲にもそれぞれの素晴らしさを感じています。

※リハーサル中のひとコマ

ブラームスのヴァイオリンコンチェルトの聴きどころについて教えてください。

 聴きどころばかりなので悩みますね(笑)。全体的に、美しいメロディーが多いと思います。どれもとても素敵で、心地が良いメロディーです。それというのも、ブラームスにとって重圧だった最初の交響曲が成功に終わり、避暑で訪れたペルチャッハという湖畔の町でリラックスして作曲に取り組めたからではないでしょうか。
 また、私の個人的なおすすめポイントですが、それは第一楽章の展開部の低音域で重音をやる部分です。全体的に明るい曲の中に一瞬だけ見える陰りが素敵です。


◆皆様に向けてひとこと

 コロナが流行りだしてからは演奏機会が一切なくなり、必然的に生演奏からも遠ざかっていきました。またこのような流れの中で、私自身、生演奏が無くても十分生活できるようになっていました。しかし、実際に演奏活動を再開してみると、生演奏というものが演奏者としても観客としても非常にかけがえのないものであることを実感しました。
 まだまだ外出しにくい状況ではありますが、生の演奏を聴くことは思い出にも残りますし、替え難い感動を得ることができると思いますので、感染症対策を十分に講じた上で是非足をお運びください。
お待ちしております!


以上、ソリストの平野胡桃さんでした!👏

 

聞き手:安達春彬

 

【演奏会情報】

メモリアルイヤー作曲家演奏会 presents プチコンサートvol.2

松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) 主ホール

入場無料

13:00開場 13:30開演

 

文責:安達